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楽しいこと,好きなこと


by syunbike

親爺

旅行記を書く気分ではないので写真を少しだけ
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(清水は混むので朝一番に行きなさいとの忠告を聞いて)

京都を家族で旅行したのは今回が初めてではない、十数年前にも家族で旅行
した、その時は親爺やお袋も一緒だった。
時代劇の好きな親爺の為に太秦の映画村にも連れて行った、大岡越前の
お白洲を見て喜んでたのを思い出します。

京都での予定もほぼ終わった昼過ぎに容態急変の電話が入った、私が出る
前に出会ったときは、オシャレな親爺は一生懸命に手にクリームを塗りながら
話をした、認知症が進んで大きなクリームの瓶を二日ほどで使い切るほどだ
手がベタベタしてくると、洗面所で手を洗ってくる、乾くとクリームを塗るの繰り
返しで日が暮れる。見ると私の手より綺麗だった。

長年の暴飲暴食のツケが着たのか腸閉塞がひどくなって、半年前からは
料理をミキサーにかけてスープにして飲まないと戻す状態だった。
それでも先生からは心臓が強いので寝込んでも長くなるよ、と脅されていた
のでアッサリ逝くとは信じられなかった。

子供は間に合わなかったけれど、夫婦で手を握り合って「アンタはヤチヨさん
かえ~。」と聞いたそうな、お袋が「そうで~~」と答えたらうっすら笑って
逝ったのだそうです。
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(京都の最後は嵐山でした、ここから慌てて帰ります、駅までが長いこと)

親爺は大正11年生まれ、幼くして両親と死に別れて、4歳下の弟と丁稚奉公
して大きくなったのだそうです、兄弟二人での苦労は生まれた時から両親が
いた私らには想像もつかない。
そのせいか親爺は寂しがり屋の所もあって、人に振舞うのが大好きで
調子のいい連中に煽てられて、お山の大将で好い気になってました。

それが何時までも続くはずも無く左舞いに、そんな連中は綺麗サッパリ周り
からいなくなります。そんな人間が成功するほど甘くない、一番苦しい
そんな時期に商売をやめて、新しく出来る会社に勤める事が出来るように
なりました。時代も助けてくれて高度成長で給料も年々上がります、かなり
な借金もローンを組んで返してしまえました。運も良かった。

名は体を現す、義人です。
まさに義の人、騙されたことは数々あるけど、人を騙すなんて出来ない性分
子供ながらに何であんな人にと思う人でも、見抜けないお人好しでした。
泣きつかれると後ろ向いた時には舌を出してる奴でも助けてしまう。
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(皆と合流する前に一人で行った彦根城)

子供の頃は怖かった、よく殴られもした。
ただ、人に迷惑を掛けるな、後ろ指を刺されるようなことはするなと言われた。
元気のいい親爺に、病弱なお袋という形だったけど、60過ぎから逆転する。
一病息災なお袋に,ツケがきた親爺には顔面神経痛、脳梗塞、動脈瘤、認知症
糖尿病、腸閉塞とフルコースを行ったわりに87歳まで寝込まずに生きれた。

亡くなる日も歩いてトイレに行ったそうで本当に一瞬の間に燃え尽きたので
しょう。起承転結,見事な人生だったと思います。
by syunbike | 2009-04-02 21:00 | 家族